平成22年度県予算及び施策に関する要望事項

■重点要望事項

【総務企画部関係】

1 「人口減少対策プロジェクトチーム(仮称)」の創設について

<提案・要望>
 本県が抱える最大の問題である人口減少問題に歯止めをかけるために、民間有識者や学識経験者を含めた、各部局を横断した特別チームを創設し、喫緊の課題として対策を講ずること。

<現状・課題>
 本県の人口は平成10年には120万人、平成15年には116万人、平成20年には110万人と、10年で10万人が減るという急激な減少の一途をたどっています。
 人口減少については、若者の県外大学への進学や、雇用不足による子育て世代の県外流出、それに伴い未婚率の上昇や出生率の低下、あるいは自殺者数の増加など様々な要因が複合して起こっているものと考えられます。将来的には、消費需要の低下や労働力の低下など地域活力の維持に影響を与えることにも繋がる恐れがあるため、各部局が共通の課題ととらえ連携し合い対策を講じていかなければ総合的な解決に結びつかないと考えられます。
【健康福祉部関係】

1 地域医療の充実について

<提案・要望>
(1)県内の医師不足および地域偏在の解消について、医師確保総合対策事業を更に充実強化すること。
(2)特に不足している産婦人科医・小児科医・麻酔科医・精神科医並びに看護師の確保対策の強化をはかること。
(3)地域医療機関に勤務する医師の過酷な労働環境を緩和するため、秋田大学医学部との医療連携の一層の強化をはかること。

<現状・課題>
・ 県内の医師数は地域間格差が顕著であり、自治体病院など地域の中核的病院では、医師不足のため産科や小児科等の診療科が診療制限や閉鎖に追い込まれるなど深刻な問題となっております。県では医師確保総合対策事業を積極的に推進し、一定の成果がありますが、更に実効を上げていくことが喫緊の課題であります。
・ 医師の不足している中核病院では勤務医が過酷な労働環境に置かれているため、勤務医を退職して開業医となるなど、勤務医が定着しない例が少なくありません。
・ 診療所など医師が1名しかいない場合、診療所を離れて学会などの研修に参加できない場合もあります。
【学術国際部・農林水産部・産業経済労働部関係】

1 企業誘致・企業立地の積極的推進について

<提案・要望>
(1)資源リサイクル、医療機器、木材関連、自動車関連、電子、食料品関連産業の更なる集積や農産品の加工業の育成強化等を一層推進すること。
(2)民間企業に対する県内の大学、公設研究機関等による共同研究・技術支援を拡充すること。
(3)既存企業による農業分野への参入を拡充するなど支援措置を講ずること。

<現状・課題>
・ 本県は、人口減少、少子化、若者の県外流出等が進展していますが、こうした問題は、本県内に雇用の機会が絶対的に不足していること、若者の就業のニーズと合う企業が少ないこと等の現実があります。
・ 県民の雇用確保に対する要望が極めて強いことから、これまで以上に県が鋭意取り組むことが求められています。
【建設交通部部関係】

1 広域的汚泥処理の推進について

<提案・要望>
(1)下水汚泥の炭化・燃料化・コンポスト化等、広域的な汚泥処理を着実に推進すること。
(2)汚泥焼却灰を舗装材としてリサイクルする構想について、早期に実用化となるよう働きかけるとともに、施行業者が舗装材利用に取り組みやすくなるよう価格面等において考慮すること。
(3)広域汚泥処理総合利活用については、町村と十分に協議すること。

<現状・課題>
  汚泥処理に関しては、処理施設の整備・改修や維持管理、リサイクル等に膨大な費用を要することから、単独の自治体で行うには限界があるため、効率的な広域処理について検討していく必要があります。


■一般要望事項

【総務企画部関係】

1 県単独補助金等の縮減・廃止に係る事前協議について


<提案・要望>
(1)町村に対する県単独補助金等の見直しにあたっては、「県・市町村協働政策会議」などを通じ、町村による客観的事業評価や、実施主体である個別自治体との協議を踏まえ対応するなど、一方的な決定を行わないこと。
(2)補助の廃止等を行う場合には、段階的削減など激変緩和措置を講ずること。

<現状・課題>
 平成20年度より3年間で実施されている「第4期行財政改革推進プログラム」において、県では引き続き県財政の抜本的な見直しを行っており、町村行政運営の補完を含む単独補助金の縮減額も、昨年度の70億円に続き30億円の目標を掲げています。
 住民福祉の向上を最優先に事業を展開している町村においても、行財政改革を推し進めており、職員採用を数年停止する町村もあるほど経常経費の削減にぎりぎりまで取り組みながらも、県補助が廃止された後も必要な事業を町村単独で実施している現状にあります。
 直接住民と接している町村は、それぞれの事業内容を地域住民へ十分説明した上で展開しているのが実態なので、県単独補助金の見直しにあたっては、町村の意向に留意願います。
2 「秋田発・子ども双方向交流プロジェクト」の継続について

<提案・要望>
 都市と農山漁村での体験交流により、本県小中学生の豊かな人間性・社会性を育む県単独事業「秋田発・子ども双方向交流プロジェクト」を、平成22年度以降も継続すること。

<現状・課題>
 平成20年度から国が総務・文部科学・農林水産の3省連携で開始した「子ども農山漁村交流プロジェクト」が、都市部の子どもを対象とした一方向の体験交流事業であるのに対し、本県農山漁村の子どもたちにも都市部を体験させ、人間性・社会性を育む県単独事業「秋田発・子ども双方向交流プロジェクト」は、学校間交流や都市・地方の相互理解など、モデル事業開始後、各学校や保護者より大きな反響を呼んでいます。
 また、地域の子どもたちを媒介することで、受け皿となる地域にも認識が高まり、農家民宿等のビジネスチャンスの喚起や安全な農産品の生産、自然環境や地域資源の再考など、産業面や文化面でも多くの二次的効果が見込まれます。
 国の事業が平成24年度まで継続すること、また、既に来年度に同事業を活用した相互交流を計画し交流先と調整している町村もあることなどから、22年度以降も同事業の継続が期待されています。
【学術国際部関係】

1 町村の情報化の推進と地上デジタル放送への円滑な移行について

<提案・要望>
(1)山間部等における携帯電話の不感地帯解消や高度情報通信基盤の条件不利地での整備について、補助制度の充実を国に働きかけるとともに、関係県単独事業の拡充、並びに新技術や整備手法に関する情報提供を行うこと。
また、通信事業者に対し不採算地域における施設整備促進について働きかけること。

(2)地上デジタル放送完全移行に向け、辺地共聴施設整備や新たな難視聴地域の調査・対策等、期限内に全ての世帯が視聴可能とするために対策に万全を期すよう、費用負担も含め国及び放送事業者に働きかけること。

<現状・課題>
 町村の携帯電話の利用可能なエリアは年々拡大していますが、通信事業者の不採算地域となる集落では、依然として不感地帯が解消されず、災害や事故などにおける情報通信の緊急性を鑑みた場合、住民生活に大きな支障をきたす恐れがあります。
 光ファイバー敷設等による高速インターネットアクセス環境については、国の制度等により町村でも市街地ではほぼ整いつつありますが、山間部等の条件不利地では依然目途が立たず、ICT技術の恩恵を受けられずにいるため、同じ町村内でありながら情報通信格差が生じる状態にもなっています。
 他方、地上デジタルテレビ放送への完全移行期限である平成23年7月が目前に迫る中、予定中継局整備後の調査で発生する新たな難視聴地域への対策が、期限までに間に合わないのではないかと懸念されているほか、新たな難視聴地域の発生により地元負担が生じる恐れがあります。アンテナ、受信機の購入は個人負担であるべきとしても、それ以外は国及び放送事業者が負担するよう求めていく必要があります。
 また、本県沿岸部の一部では新潟県との混信が発生しており、その回避のため今後本県対象地域の周波数変更が予定されているようですが、視聴者(特に高齢者等情報弱者)への支援等フォローが必要です。
【農林水産部関係】

1 “今こそチャレンジ”農業夢プラン応援事業の継続について

<提案・要望>
 “今こそチャレンジ”農業夢プラン応援事業(旧目指せ“元気な担い手”農業夢プラン応援事業)は、22年度まで実施されることになっているが、農家の期待も大きく、効果の高い支援策であり、地域農業を支える制度として欠くことのできない施策となっているので、平成23年度以降も継続すること。
 また、同事業における水稲関係の機械購入にあたっては、要件の緩和措置を講ずること。

<現状・課題>
 町村では、19年度から始まった水田経営所得安定対策に多くの農家が取り組めるよう、集落営農組織や農業法人組織の設立を呼びかけ支援してまいりました。その結果、認定農業者等は地域農業の担い手として、着実に実績を上げており、農業に夢と希望を持って取り組んでいるところです。
 「“今こそチャレンジ”農業夢プラン応援事業」は、これらの組織経営体や意欲ある認定農業者が新たな作目等に取り組むための誘導策として効果の高い支援策となっており、担い手の期待も大きいものがあります。
 また、夢プラン応援事業は、地域農業振興の要の事業として位置付けられており、希望する農家には最大限対応しています。しかし、水稲関係の機械購入に関しては、要件が相当厳しくなっているため、国のリース事業へシフトしているのが現状です。国のリース事業については、申込件数が多ければ補助率が低下する仕組みとなっており、率が定まらず農家に不安を抱かせている状況です。
 現在、県において補助金の見直しが検討されていますが、本事業は本県農業の米偏重を是正し、複合経営を推進していく上で欠くことのできない重要な施策となっています。
2 米粉の生産施設整備と製品開発、販路拡大による水田のフル活用について

<提案・要望>
 県と全農がタイアップして米粉の製粉施設を作り、学校給食での活用や新たな米粉製品開発・販売に力を入れることにより、農家が安心して米粉用の水稲を生産できるようにすること。

<現状・課題>
 水田をフル活用し、自給率の向上を図るには、水稲と同じ技術及び機械で栽培可能な米粉用の稲の作付けが有効です。
 21年度から新規需要米として米粉用の水稲に対する手厚い補助が実施されていますが、この作付の条件として、農家自身が実需者と播種前契約をしなければならないこととなっています。これは農家の最も不得意とする分野であり、農家が自ら実需者を探すことはかなり難しいことから、米粉用の水稲への転作はあまり進んでいない地域もあります。
 条件不利地や調整水田等のフル活用を図るためには、県と全農がタイアップして製粉施設を建設し、学校給食での活用や新たな米粉製品開発・販売に力を入れることにより、農家の負担を軽減し、安心して米粉用の水稲を作付出来るようにする必要があります。
【生活環境文化部関係】

1 八郎湖保全対策の総合的な取り組みについて

<提案・要望>
(1)八郎湖流域における農業集落排水施設の機能強化対策(高度処理に対応した施設への改修)に係る費用等に対する県補助制度を創設すること。
(2)八郎湖流域における浄化槽、合併処理施設の改修費用に対する県補助制度を創設すること。
(3)八郎湖流域における下水道許可区域の弾力的運用及び工事費用に対する補助制度を創設すること。また、高齢者・低所得者世帯の水洗化等促進に係る県による財政支援を講ずること。
(4)八郎湖の水害対策として、冬期間や豪雨時の防潮水門の開閉を弾力的に運用すること。

<現状・課題>
 八郎湖は、平成19年に湖沼水質保全特別措置法による指定湖沼となり、水質環境基準を保つために県及び関係市町村による総合的な取り組みが必要となりました。
 県の策定した「八郎湖に係る湖沼水質保全計画」による水質目標値(COD、窒素・りん含有量)を達成するためには、下水道の整備及び農業集落排水・合併浄化槽の高度処理化が緊急の課題となっていますが、財政状況の厳しい町村では事業費の捻出に苦慮していることから、国の補助金に加え、県による補助が必要です。
 また、冬期間や豪雨時には水位上昇により、河口付近の堤防の越水が発生し、住宅への浸水や農地の冠水等に見舞われており、住民の安全確保と財産保全の観点から、国との管理協定内容の調整も踏まえ、防潮水門開閉の弾力的運用が必要と考えます。
2 ヤマビル被害対策について

<提案・要望>
(1)薬剤散布に対する助成措置を復元すること。
(2)より防除効果の高い薬剤の開発促進と、専門家による生態等に関する基礎研究を再度整備すること。

<現状・課題>
 ヤマビル被害は秋田市・潟上市・上小阿仁村・五城目町・井川町で見られ、地域によっては近年は居住区まで拡大しており、日常生活を脅かす状況となっています。
 秋田地域ヤマビル被害対策協議会の設置から、対策等に関する情報提供を受けながら防除に努めていますが、被害実態や生息分布に関する調査等、町村それぞれの取り組みでは限界があるため、広域的対策として県を中心とした防除対策が望まれています。
 また、ヤマビルの生態や忌避等に関する基礎的研究を各町村が行うことは困難であり、研究機関を有する県の取り組みを必要としています。
3 クマ・サルの有害駆除に係る捕獲許可の事務簡素化について

<提案・要望>
 クマ・サルの有害駆除について、市町村の捕獲許可の事務を簡素化すること。

<現状・課題>
 現在、カモ・カラスについては市町村に捕獲許可が移譲されていますが、クマ・サルの捕獲許可についてはその都度、地域振興局に許可申請が必要なため、現場では迅速な対応が取れない上、特に昨今は件数の増加が著しいことから、市町村担当者・県双方にとって申請・許可の事務負担が増大しています。
 クマ・サルの出没は予期せず発生するため、被害防止には適時を得た対応が求められます。また、町村では職員数が限られていることもあり、事務負担軽減の観点からも、多数の発生にもかかわらずその都度、地域振興局と連絡を取り申請文書のやり取りをしなければならないのでは合理的ではありません。
 クマ・サルについては、県の保護管理計画もあると考えますが、県民の安全確保、農作物等被害の軽減等への配慮から、早急に対応すべきものであると考えられます。
【産業経済労働部関係】

1 観光振興の推進強化について

<提案・要望>
(1)地域の観光資源を活かした旅行商品の開発や現地密着型の観光振興を一層推進すること。
(2)各種メディアを活用し、誘客促進をはかるための情報発信を一層推進すること。
(3)大きな購買力を持つ団塊の世代と、その前後をターゲットとした商品の開発を推進すること。
(4)地域の特色ある観光資源を最大限活かすため、観光振興の予算措置を拡充すること。
(5)平成22年12月に東北新幹線が青森まで延伸されることを捉え、この波及効果を最大限に活かす観光施策を広域的に展開すること。

<現状・課題>
・ 本県は、美しい自然景観や伝統文化等、様々な観光資源を有する開発可能性の極めて高い地域であり、観光は需要の伸びが大いに期待できる産業であることから、施策・施設の整備や商品開発は重要な課題となっています。
・ 各町村では、ホームページやパンフレットなどを作成し、観光振興に努めていますが、誘客に効果的な広域的情報発信をより一層強化する必要があります。
・ 東北新幹線新青森駅開業に伴い、県北地域への観光客増加も期待されることから、これに対応した観光ルート整備が必要です。
 例えば、青森駅発のJR五能線「リゾート白神号」の奥羽本線乗り入れにより周回運行を可能にする新たな鉄道観光ルートの設定、また、青森駅降車後の本県観光アクセス道路「西部日本海ライン」「西目屋二ツ井線を活用した津軽白神中央ライン」「小坂・十和田・八幡平を通るライン」の3本を主体としたモデルコースの設定や、定期観光バス等の運行も視野に入れた取り組みなども展開できます。
【建設交通部関係】

1 生活バス路線等維持費補助制度の充実強化について

<提案・要望>
 新たな県単バス補助制度を創設する際は、地域の実情を勘案し現行制度以上の補助制度となるよう見直しをはかるとともに、制度施行に当たっては町村に対し十分な説明および利用についての助言をすること。

<現状・課題>
・ 生活バス路線は、児童・生徒の通学や高齢者の通院など、交通弱者が利用する欠くことのできない交通手段となっています。
・ 地域の実情にあった利便性のある交通手段として生活バス路線を維持し継続利用できるよう、県と自治体、バス事業者が一体となった地域公共交通の構築が必要です。
2 県管理国道及び県道の整備促進について

<提案・要望>
 町村から整備要望のある箇所については、必要とする予算を確保し、早期に整備すること。

<現状・課題>
・ 町村と都市部を結ぶ国道及び県道は、交流促進や観光振興により町村に活力を与えるものであるとともに、救急医療や災害時の緊急輸送路として住民にとって安全・安心な生活を支える生命線でもあります。
・ 歩道等改良未整備箇所があるため、小中学生の通学や高齢な歩行者にとって、交通安全上安心して利用できるよう整備促進が必要です。

3 河川改修工事の促進について

<提案・要望>
 広域基幹河川改修事業、総合流域防災事業について、工事の促進をはかること。

<現状・課題>
 局地的集中豪雨が発生する可能性が高まっており、土砂災害や河川の増水などの被害に対して万全の施策を講ずる必要があります。
 河川砂防の災害対策は、危険性を解消する効果的な改修工事等の早期着工が必要です。

【教育庁関係】

1 特別支援教育の推進について

<提案・要望>
(1)特別支援教育の充実のため、支援員確保にかかる新たな補助制度を創設すること。
(2)特別支援教育の専門性に鑑み、支援員の資質向上のための専門的研修や指導を充実強化すること。

<現状・課題>
 年々支援を要する子どもが増加傾向にあるため、町村の事業を充実させていきたいところですが、交付税措置以外の町村財政負担が大きくなっているので、県の新たな支援措置を求めるものです。

2 複式学級解消のための教員の加配について

<提案・要望>
 複式学級解消のため、教員の加配を今後とも積極的に推進すること。

<現状・課題>
 町村では、今後も少子化の進行により児童生徒の減少が続き複式学級が増加する可能性があります。小規模校・へき地校であっても、学力向上・生徒指導などにおいてきめ細かな指導をしていくためには、教員の加配は必要であります。
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